風邪をひいたとき、パートナーが「俺も体調悪いかも…」と寝込んでしまった経験はありませんか?
そんな男性の行動にモヤモヤする女性たちの間で広まっている言葉が「マンフル(Man Flu)」です。
「マンフル」とは、男性が風邪や軽い不調を過剰に訴える現象のこと。SNSや家庭内でよく見かけるこの現象には、心理的・生物学的な背景があるとされています。
この記事では、マンフルとは何か、その原因や心理、体質的要因、夫が見せる典型的なマンフル行動まで、わかりやすく解説します。
- マンフルとは何か、社会的・科学的背景
- マンフル夫の心理と体質に潜む理由
- イライラせずに接するための具体的対処法
マンフルとは?風邪で大げさに訴える男性の現象

「ちょっと風邪ひいたかも…俺、もうダメかもしれない…」なんて、熱を測ったら平熱だった。
そんな夫の様子に「は?」と呆れたこと、ありませんか?
この現象、実は「マンフル(Man Flu)」って名前がついてるんです。
「マンフル」とは、男性が軽い風邪や不調をまるで重病のように訴えることを指す俗語です。
冗談みたいだけど、世界中の妻たちが「それそれ!」と共感してしまうほど、日常でよく見られる現象なんですよね。
日本でも近年この言葉がSNSで話題になり、「うちの夫も完全にマンフル!」といった投稿が増えています。
マン(男性)+フル(インフルエンザ)の造語
この言葉、「Man(男)」+「Flu(インフルエンザ)」を組み合わせた造語なんです。
直訳すれば「男性のインフルエンザ」ですが、その実態は“軽い症状を大げさに騒ぐ男性の風邪”を揶揄した表現。
「死にそう」「起き上がれない」「もう無理かも…」と連呼する姿に、実際に子育て・家事・仕事をこなしてる女性たちは怒り心頭になることも。
- 症状:軽い咳、鼻水、微熱
- 本人の訴え:インフル級の絶不調
- 実際の状況:平熱でテレビを観てる
つまり、実際の症状と訴えのギャップが「マンフル」の本質なんです。
イギリス発祥で辞書にも掲載された用語
「マンフル」という言葉は、2000年代にイギリスの雑誌記事をきっかけに広まりました。
当時のアンケートでは、「インフルにかかったときに必要な療養日数」が、女性は1日半、男性は3日と答えたそう。
この結果に、「やっぱり男って風邪に弱いよね」と話題になり、それを皮肉って「マンフル」と呼ぶようになったんです。
発祥国 | イギリス |
初出時期 | 2000年代初頭 |
収録辞書 | Oxford Dictionary / Cambridge Dictionary |
そして驚くことに、この「マンフル」は現在では正式に英語辞書にも掲載され、世界中で通じる言葉になっているんですよ。
つまり、“冗談では済まされないほどリアルな現象”として認知されているということです。
今やSNSでも、「また夫がマンフルで寝込んでる」「私は熱あるのに子ども見てるんだけど…」という投稿があふれています。
とはいえ、すべての男性がこうなるわけではありません。
でも、もし「また風邪で寝込んでるの?ってか平熱じゃん!」と感じたら、それはきっと…立派な“マンフル夫”です。
なぜ男性は「マンフル」になるのか?
風邪をひくと、まるで大病のように訴える「マンフル夫」。
「どうしてこんなに大げさなの?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
実はそこには、社会的な背景や心理的な要因が深く関係しているんです。
社会的役割と育った環境が影響
昔ながらの「男は外で働き、女は家を守る」という価値観は、今もなお多くの家庭で残っています。
このような環境で育つと、男性は「自分は守られる存在ではない」という意識を抱えやすくなります。
だからこそ、ちょっと体調を崩したときに、“守られたい欲”が一気に噴き出すんですね。
また、小さい頃に「男の子なんだから泣くな」「我慢しろ」と言われて育った人ほど、大人になってから反動が出やすい傾向があります。
- 子ども時代の我慢 → 感情を抑え続ける
- 社会人になっても責任重視 → 「弱音禁止」モード
- 風邪をひいた瞬間 → 解禁!「構ってモード」へ突入
これはもう、条件反射のようなものかもしれませんね。
ケアされることに安心感を感じる男性心理
「俺、もう無理かも…」と布団にくるまって弱音を吐く夫。
一見、大げさすぎてイラッとするその姿も、実は「誰かに甘えたい」「安心したい」という心の叫びなのかもしれません。
男性は言葉で不安を表現するのが苦手な人が多く、体調不良という“きっかけ”を利用して、ようやく自分の弱さを出せるようになることがあります。
女性の傾向 | 共感・共有を通じて心の安定を得る |
男性の傾向 | 沈黙・身体的サインで「助けて」を伝える |
つまり、「マンフル」は単なる演技ではなく、心のSOSである可能性もあるんです。
もちろん、体調が本当に悪い場合もあるので、そこは見極めが必要。
でも、「ちょっと構ってほしかっただけ?」という場面も、案外多いのかもしれませんね。
マンフル現象とは?日本における実例と拡がり

「また始まった…」
妻が熱を出してフラフラなのに、夫が「俺も具合悪いかも」と言いながらベッドに直行。
そんな状況にうんざりした経験、きっと少なくないのではないでしょうか。
実はこの現象、いま日本でも急速に認知が広まり、「マンフル」という言葉とともにSNSで共感の輪を広げています。
SNSで広がる「うちの夫もマンフル」投稿
TwitterやInstagram、TikTokなどのSNSでは「マンフル夫」の実録投稿が急増しています。
特に子育て中のママたちの間では、「私が高熱でも育児は私。なのに夫は平熱でも寝込む」というエピソードが共感を呼び、毎年冬になると話題に。

私39度、夫36.8度。なのに布団にこもって『俺の方がやばいかも…』って、どういうこと!?

インフルで寝込んでたら、夫が『俺もかも』って言い出して、体温計も持たずにベッドイン。測ったら35.9度でした
- 体温が平熱なのに「もう無理」と言い出す
- 妻が病気でも「俺の方がつらい」と張り合う
- 看病を頼むと「寝てるから無理」と拒否
こんな「あるある」話が、マンフルという言葉によって可視化され、笑いとともに共感されているのが、現代のマンフル現象です。
家庭内の看病格差とイライラの正体
夫婦で風邪を引いたとき、なぜか妻だけが子どもの世話や家事まで担当する──そんな光景、あなたの家でもありませんか?
日本の家庭では、今もなお「ケアするのは女性側」という空気が根強く残っています。
夫が風邪を理由に“完全ダウン”する一方で、妻は38度でも洗濯・食事・育児に追われる。
この「体調悪いときの負担格差」が、イライラの正体です。
症状 | 夫の行動 | 妻の行動 |
---|---|---|
微熱 | すぐに寝込む | 家事と育児を継続 |
インフルエンザ | 自分の看病を頼む | 子どもの看病まで引き受ける |
もちろん、すべての夫がそうとは限りません。
でも、「私も具合悪いのに…」と感じる瞬間があるなら、それはきっと“マンフル格差”が存在しているサインかもしれません。
マンフル心理を徹底解剖!男性が弱さを見せる理由
「なんでそんなに大げさなの?」
風邪をひいた夫が、必要以上に辛そうな演技をしているように見えて、ついイライラ…。
でも、それには理由があるかもしれません。
ここでは、「マンフル夫」が体調不良をきっかけに弱音を吐く裏にある心理を、やさしくひも解いていきます。
「共感を得たい」という潜在的欲求
男性がマンフルになるとき、ただしんどさを訴えているだけではないことが多いんです。
実は「誰かにわかってほしい」という気持ちが根っこにあることが多いんですね。
女性は日常的に「共感し合う」ことでストレスを発散する傾向がありますが、男性はそれが苦手な人が多いです。
そのため、体調を崩したときだけが「唯一、自分のつらさを伝えてもいいタイミング」と思っていることも。
- いつも我慢しているからこそ
- 風邪で弱っている=許される状況
- 共感や優しい言葉を引き出したい
つまり、「体調が悪い」という言葉の裏には「気にかけてほしい」「大事にされたい」という欲求が隠れているんです。
病気=甘えていいという無意識の認識
もう一つ見逃せないのが、「病気になったときは甘えても許される」という、無意識の思い込みです。
男性は小さい頃から「男は強くあれ」と育てられてきた人も多く、普段は弱音を吐けないまま大人になります。
そんな彼らにとって、風邪は数少ない「公に弱さを見せていい理由」。
- 「仕事は休めないけど、体調が悪ければ堂々と休める」
- 「いつもは気遣ってもらえないけど、風邪なら優しくしてもらえる」
つまり、病気=甘えても許される“免罪符”のように感じているんですね。
普段 | 病気時 |
---|---|
我慢が当たり前 | 弱音を吐ける |
甘えたくても言えない | 「看病して」が言いやすい |
もちろん、病気だからこそ本当にしんどい場合もあります。
でもそこに「普段からの甘えたい気持ち」が乗っかっていることもあるとわかれば、ちょっと見方が変わるかもしれません。
「何よ、またマンフル?」と怒る前に、一度やさしく声をかけてみるのも、ひとつの手かもしれません。
マンフル体質とは?本当に“風邪に弱い”のか
「うちの夫、風邪ひくとすぐ寝込むのよね…」
そんな話をすると、まるで性格の問題かと思いがちですが、実はそうとも限らないんです。
“マンフル体質”ともいえる、体の仕組みそのものが関係している可能性が、最近の研究でわかってきています。
男性ホルモンと免疫力の科学的関係
医学的な研究によると、男性ホルモン「テストステロン」は免疫力を抑制する作用があることがわかっています。
一方で、女性ホルモン「エストロゲン」は免疫力を強化する効果があると言われているんです。
つまり、同じウイルスに感染しても、男性のほうが重症化しやすい可能性があるということ。
- テストステロン:免疫反応を弱める
- エストロゲン:免疫細胞の活性化を促す
- 男女差:男性の方がインフルエンザでの入院率・死亡率が高いという報告も
また、動物実験においても、雄マウスの方がインフルエンザで重症化しやすいという結果が示されています。
この違いには、X染色体の影響や性ホルモンによる免疫調整機能の差が関係していると考えられているんです。
つまり、「男は風邪に弱い」は、迷信ではなく、ある意味“生物学的に正しい”とも言えるわけです。
日常生活やストレスが影響する体調差
とはいえ、ホルモンだけが「マンフル体質」の原因ではありません。
食生活、睡眠、運動不足、ストレスなど、日々の生活習慣が免疫力に大きく関わっています。
習慣 | 免疫への影響 |
---|---|
睡眠不足 | 免疫細胞の働きが低下 |
偏った食事 | ビタミン・ミネラル不足で防御力が低下 |
過剰なストレス | 免疫系を抑制するホルモン(コルチゾール)が増加 |
特に現代の男性は、「仕事のストレス+セルフケア不足」というダブルパンチにさらされやすい状況にあります。
このような背景から、風邪をひくと本当にしんどくなりやすい体質に陥っている人も少なくないんですね。
つまり、「マンフル体質」は本人の性格のせいではなく、ホルモンや生活環境の影響を大きく受けているということ。
だからこそ、責める前に「体質の違い」として受け止める姿勢も、ときには大切なのかもしれません。
マンフル夫にどう接する?イライラを防ぐ対応策
風邪をひいた途端、夫が「もうダメかも…」と布団にこもる。
子どもの世話をしながら看病もしなきゃならない妻の怒りは、限界寸前。
でも、そこでイライラをぶつけても、さらに気まずい雰囲気になってしまうだけ…。
ここでは、“マンフル夫”との上手な付き合い方を、実践的にご紹介します。
イライラせずに事実を淡々と共有する
まず大事なのは、感情的に怒鳴るのではなく、「私は今こういう状況にいるよ」と冷静に伝えることです。
たとえば、こんなふうに言ってみましょう:

あなたが寝込んでるのはわかるけど、私も熱があるの。だから交代で子どもを見てもらえないかな?
感情ではなく、事実と要望をセットにすると、相手も「責められている」と感じにくく、行動に移しやすくなります。
- 「また寝てるの!?」ではなく「今ちょっと手が回らないから、お願いできる?」
- 「自分ばっかり!」ではなく「私も熱あるんだ、だから分担したい」
言い方を変えるだけで、ぐっと伝わりやすくなりますよ。
ユーモアで返して気持ちを和らげる
深刻に受け止めすぎると、自分も相手もどんどんしんどくなります。
そんなときは、ちょっと笑いを交えて返してみるのもおすすめ。
- 「え、マンフル出ました?マスクしても感染るのかな〜」
- 「その症状、去年もインフルじゃなくてマンフルだったよね(笑)」
冗談を交えることで、空気が少し軽くなり、話しやすくなります。
もちろん、相手の体調が本当に悪そうなときには無理に笑いにしない配慮も必要です。
でも「またか…」というときには、ユーモアの力が思わぬ効果を生むこともあります。
マンフルとは何か?なぜ起こるのかを総まとめ
ここまで、「マンフル」という現象について、さまざまな角度から見てきました。
まとめると、マンフルとは:
- 風邪などの軽い不調を、大げさに訴える男性の行動
- 心理的には「共感されたい」「甘えたい」気持ちの表れ
- 生物学的にも、男性は女性より免疫が弱い傾向がある
- 日常生活のストレスや育った環境も影響
つまり、「マンフル」は決して単なる“甘え”だけではなく、心と体、そして社会の価値観が複雑に絡み合った現象なのです。
もちろん、毎回「俺もしんどい」と言われるとイラッとして当然。
でも、背景にある事情を少し理解するだけで、「じゃあどう向き合おうか」という新しい選択肢が見えてきます。
風邪のときこそ、家族としての思いやりと連携が試されるタイミング。
お互いに支え合いながら、乗り越えていけたら理想ですね。
- マンフルとは男性が風邪の症状を大げさに訴える現象
- 「俺もしんどい」と被せてくる夫の心理的背景を解説
- テストステロンが免疫力を下げる科学的根拠も紹介
- SNSで話題の「うちの夫もマンフル」実例を多数掲載
- イライラを抑えるには事実を冷静に伝えるのが効果的
- ユーモアを交えた返し方で空気を和らげる方法も提案
- 家庭内の看病格差がマンフル現象を助長している可能性
- 性格ではなく体質・環境が影響する点を理解することが大切