2025年6月20日、女性ラッパーのNENEが新曲「OWARI」を公開し、歌詞でちゃんみなやSKY‑HI、プロデュースグループHANAへの名指しディスがSNSを騒がせています。
「クレジット入ってないじゃん?自分でリリック書いてないのに?」という冒頭の一節から始まり、炎上ではなく“ビーフ”としての真剣なメッセージが詰まっています。
この記事では、この歌詞の裏にあるNENEの“怒りの核心”、なぜ「パクリ」ではなく「表現者としての誇り」なのか、ラップ文化の“ビーフ”的真髄まで、徹底解説します。
- NENEがちゃんみなへ「OWARI」で伝えた本当のメッセージ
- ラップにおけるビーフ文化とその意味・意義
- ビーフを通じた表現者同士の対話と成長の可能性
NENEがちゃんみなへ真っ向勝負!「OWARI」で宣戦布告した本質
2025年6月、ラッパーNENEが突如公開した新曲「OWARI」が、音楽ファンの間で大きな話題になっています。
その理由は、ただのディストラック(dis track)にとどまらず、ちゃんみなやSKY-HI、さらにはBMSGに対する名指しのリリックが含まれていたからです。
「なぜここまでハッキリ言うの?」「パクリって本当?」と疑問に思う人も多いと思いますが、ラップというジャンルではこれが文化でもあり、リアルを貫くアーティストの表現方法でもあるんです。
冒頭歌詞「クレジット入ってないじゃん?」が意味するもの
NENEの「OWARI」は、こんな衝撃的なフレーズから始まります。
新曲聴いたよ。ねえ、クレジット入ってないじゃん?
参照:NENE – OWARI
この一言に、NENEの怒りと悔しさが詰まっています。
ラップや楽曲制作の世界では、誰が作詞・作曲に関わったかを明記するクレジット表記がとても重要です。
もし誰かがあなたのアイデアを参考にしたとしても、それを明記せず「まるで自分の作品のように」世に出されたら、作り手としてはたまりませんよね。
- NENEは長年、独自の美学とスタイルで活動
- ちゃんみなやプロデュースするHANAのMV・歌詞がそれに似ていると感じた
- でも、NENEの名前はどこにも載っていない
つまりこれは、パクリというより「リスペクトがない」ことへの怒りなんです。
特にヒップホップは、ルーツや影響を明確に示す文化があります。
その「掟」を破られたと感じたからこそ、NENEは声を上げたのです。
「電話しろよちゃんみな」に潜む、切実な呼びかけと怒り
このフレーズも強烈ですね。
ネタ切れのハイエナ 電話しろよ ちゃんみな
参照:NENE – OWARI
一見すると挑発的ですが、私はここに寂しさや悔しさがにじみ出ているように感じました。
「ちゃんと話したかった」「説明してほしかった」「一言、欲しかった」――そういう気持ちが込められていると思うんです。
怒りの要素 | 自分のスタイルが模倣されたと感じた |
失望の要素 | 一度も直接連絡をもらっていない |
期待の裏返し | ちゃんみなにリスペクトしてほしかった |
ヒップホップの世界では、「感じたことを音楽でぶつける」のが筋だと言われます。
だからこそ、NENEはSNSでも事務所でもなく、ビートとリリックに想いを乗せて訴えたのです。
ただの批判じゃない。
これは「音楽で対話しよう」というラッパーとしてのメッセージなんじゃないかなって、私は思いました。
なぜ「ちゃんみな/HANAは私の“ムードボード”なのか?
「ムードボード」って、ファッション業界やクリエイティブ界隈でよく使われる言葉ですよね。
意味としては「インスピレーションの源」や「参考にしたい世界観のビジュアル集」のこと。
NENEが曲中で放った一言――「I’m on your mood board, bitch」――には、怒りと誇り、そして苦しみが込められているように感じました。
MV演出や歌詞構造が酷似?ファンが指摘する類似ポイント
NENEが怒りをぶつけたきっかけの一つが、ちゃんみながプロデュースしたグループ「HANA」のMVや歌詞の“似ている感”です。
SNSでも話題になっていたのが、以下のポイント。
- 炎に囲まれてパフォーマンスする演出(NENEの「Bad Bitch美学」とHANAの「Burning Flower」)
- 歌詞の構成やリズム感、強い女性像を押し出すスタンス
- 衣装やメイクのトーン、フォントや映像のエフェクト
正直言って、これは完全なコピーかと言われたら微妙なところです。
似ている部分はあるけど、偶然と言われたら否定しきれないライン。
ただし、NENE本人やそのファンにとっては「いや、それ私のスタイルやん!」って感じたのも無理はないと思います。
作品名 | 類似が指摘された演出 |
NENE「Bad Bitch美学」 | 炎のサークル、赤い照明、威圧的なスタンス |
HANA「Burning Flower」 | 似たような炎の演出、舞台装置、色味の演出 |
この「演出の被り」に対し、HANAやちゃんみなからNENEへの言及やクレジットがなかった。
それがNENEの「クレジット入ってないじゃん?」という強烈なリリックに繋がっているんです。
「パクリ」疑惑は法的問題ではなく文化・感性のズレ
ここで大事なのは、「パクリ」と一括りにしていいのか?という点。
実際、著作権的にはアウトとは言えないかもしれません。
でも、ヒップホップって、“表現のルーツにリスペクトを示すこと”が文化の基本なんです。
つまり問題は、
- NENEという存在に何の言及もないまま、似たスタイルを商業的に展開されたこと
- しかもそれが、大きな影響力を持つレーベル(BMSG)から出てきたこと
これは、アンダーグラウンドで自分の世界を築いてきたNENEにとって、「アイデンティティを無視された」と感じさせるには十分だったのではないでしょうか。
ヒップホップはリリックで語る文化。
「私はお前らのムードボードなんだろ?」というNENEの叫びは、パクリを責めているというより、“リスペクトの欠如”に対する抗議だったんだと思います。
ビーフ=ラップの文化的表現 手紙や事務所より歌詞で語る理由
「直接言えばいいのに…」「なんでわざわざ曲にするの?」
そう思った人、多いと思います。
でも、それはラップ文化の本質をまだ知らないからこその疑問であって、実は“曲で訴える”というのがラッパーにとって最も誠実な伝え方なんです。
ヒップホップでは、リリックがリアルな主張の証
ヒップホップという文化は、もともとアメリカのストリートで、社会的に声を上げる手段がなかった人たちが、自分の言葉で現実を語る場所として生まれました。
「ラップ=音楽の中で“本当のこと”を語ること」なんです。
だから、たとえばこういう対立が起きたときも、
- メールやDMで静かに言う
- スタッフを通じてクレームを入れる
- 訴訟や報道発表で訴える
…といった方法ではなく、リリックにしてビートに乗せて公表するんです。
それこそが、「俺は本気でこの現状に物申してる」という証明。
ヒップホップにとって、これは“声を上げる”=“生き様を示す”ことなんですよね。
アンサーソングで返して初めて“対等”になる世界観
「ビーフ」とは、ただの口喧嘩じゃありません。
これは“言葉と表現で勝負する”真剣勝負なんです。
だから、挑まれた側も黙っていると「負けた」と見なされてしまう文化があります。
- NENEが「OWARI」で投げたメッセージは、ちゃんみなやHANAへの挑戦状
- その返答が「音楽」で返ってきたとき、初めてビーフは“対話”になる
- だからこそ、アンサーソングがあるかどうかに注目が集まってる
もちろん、沈黙を選ぶ自由もあります。
でも、ラッパーという“語る職業”において、リリックで返さないというのは、少し“もったいない”と感じてしまうリスナーも多いんです。
たとえ感情がぶつかり合っても、音楽でぶつかることでしか見えない“真実”や“リアル”がある。
それがラップ文化の奥深さであり、熱さでもあるんです。
ちゃんみな&BMSG(SKY‑HI)はどう反応しているのか?
NENEが新曲「OWARI」でちゃんみなやSKY-HIを名指しでディスしたことで、多くの人が気になるのが「じゃあ、ちゃんみな側はどう返すの?」という点ですよね。
実は、現時点(2025年6月末)で、ちゃんみな本人やBMSG側からの正式なコメントは出ていません。
でも、その“沈黙”にもいろいろな意味があるんじゃないか…と、ファンの間では憶測が広がっています。
現時点での公式コメントは沈黙傾向
6月中旬、ちゃんみなが行ったインスタライブで「OWARI」について言及されましたが、その内容はかなり冷静でした。
え?私の名前出てるの?あんまり関わりないんだけどな…
1回くらいしか会ったことないかも?
歌詞提供は受けてないし…知らない間に怒らせちゃったのかな?
この発言からは、そもそもNENEとの接点が薄いことが分かります。
そして何より注目されたのが、「アンサーソングを書くかどうか、今はわからない。忙しいし」という一言。
これにより、“反応する気がないのでは?”という見方と、“水面下で準備中かも?”という期待が入り混じり、SNSではちょっとした嵐が起きてます。
ファンの声:「オマージュならクレジットを」「アンサー希望」など賛否両論
ちゃんみなやHANA、BMSGをめぐるファンの反応は本当にさまざま。
X(旧Twitter)やYouTubeのコメント欄では、次のような声が飛び交っています。
- 「ちゃんみなに似てるとは思ってたけど、まさかこんな形で出るとは…」
- 「HANAのMV、確かにNENEに似てる部分ある」
- 「オマージュなら一言リスペクト入れるべき」
- 「アンサーソング楽しみにしてる!」
- 「ちゃんみなは忙しいし、反応しないのもアリ」
- 「NENEの方がハイエナじゃんって言ってる人、それは違う」
ここで分かるのは、ヒップホップのビーフに対するリスナーの理解度や温度感が、本当にバラバラだということ。
ラップに馴染みのある人は「これは文化」と受け止めますが、ポップリスナーからすると「なんで攻撃するの?」と見える。
この“ギャップ”が、ちゃんみな側の対応をさらに難しくしているのかもしれません。
個人的には、ちゃんみながどんな形でも自分の言葉で返してくれるなら、それが沈黙でも音楽でも、すごく価値があると思っています。
ただ、その時はぜひ、“本音”で勝負してほしいな、と期待してしまいますね。
ラップファンのリアクションは普通?ビーフが育む成長とは
「ビーフとか怖い…」「ケンカじゃん」と思う方も多いかもしれません。
でも、ヒップホップに馴染みのあるファンからすれば、今回のような公開ディス=“ビーフ”は、ある意味でごく自然な文化の一部なんです。
しかも、それを否定せず、むしろ「ここからどう成長するかが見たい」と前向きに捉えている声が多数を占めています。
「アンサーを期待」「これで進化してほしい」その背景とは
ビーフに対するファンの反応を見ていると、“アンサー待ち”という空気がとても強いです。
理由は単純で、
- ディスられたらどう返すか? というやりとり自体が、表現者としての力量を試す場だから
- 本気のアンサーが来ることで、アーティストの“深さ”や“強さ”が伝わる
- そこに「成長」や「進化」を感じたいというリスナーの期待がある
例えば、ちゃんみながこの出来事を経て「私はこう考えてる」「私はこういうラップで応える」と示せば、たとえ和解しなくても、表現者としての信頼感が上がる。
リスナーは「その姿勢を見たい」と思っているわけです。
ビーフは破壊ではなく対話、リスペクトの確認でもある
よく誤解されるのが、ビーフ=“攻撃”というイメージ。
でも実際は、対話の手段であり、リスペクトを問う行為でもあるんです。
今回のNENEのビーフも、ちゃんみなやBMSGの成功を妬んでいるわけではなく、
- 「私の表現を軽く扱わないで」
- 「インスパイアされたなら一言くれよ」
- 「私はここにいるよ」
そんな存在証明としてのリリックだったように思えます。
そして、それに応えるかどうかは相手次第。
でも、アンサーがあれば、それは“対立”ではなく“対話”に変わる。
リスナーは、そういう音楽的な化学反応を望んでるんです。
まとめ:NENE vs ちゃんみな「OWARI」に込めた核心とは
今回の一件は、単なる喧嘩や炎上とはまったく違うものでした。
むしろ、NENEというアーティストが、音楽という手段を使って真剣に“訴えた”メッセージだったと言えます。
テーマ | 内容 |
怒りの源 | 自分の表現が似た形で無断使用されたように感じた |
伝え方 | ラップ文化に則り、リリックで公に表現 |
受け手の対応 | ちゃんみな・SKY-HI・BMSGはいまのところ沈黙 |
ファンの声 | アンサーを求める声と、静観派で二分 |
NENEの言葉には、「私を無視するな」という切実な感情があって、それが曲という形で世に出された。
この一連の流れは、アーティストが自分の信念と存在価値を賭けて勝負する“表現の場”だったんだと思います。
今後、ちゃんみながどんな選択をするのか。
それをどうリスナーが受け取るのか。
このビーフの行方は、日本のヒップホップにとっても大きな分岐点になるかもしれません。
- NENEが新曲「OWARI」でちゃんみな・SKY-HIを名指しでディス
- 「クレジットなし」「ムードボード」など表現盗用への怒りが歌詞に
- ラップ文化では“音楽での対話”がビーフの基本姿勢
- ファンの間では「アンサーを期待」「無視はダサい」と賛否両論
- ちゃんみな側は今のところ沈黙、今後の反応に注目集まる
- ビーフは破壊でなく“表現とリスペクト”の確認の場でもある