TikTokやYouTube Shortsで話題になっている「ナルトダンス」。
「これってNARUTOの公式ダンス?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
実はこのナルトダンス、中国発の伝統舞踊「科目三(かもくさん)」がルーツで、アニメ『NARUTO』とは直接の関係がありません。
にもかかわらず、NARUTOのコスプレと組み合わさったことで世界的にバズり、特にアジア圏を中心に大きな話題となっています。
この記事では、ナルトダンスの元ネタや使用されている音楽、踊り方の特徴、ベトナムなどでの広がり、そして話題の歌詞まで詳しく紹介します。
- ナルトダンスの元ネタ「科目三」の正体と文化背景
- 使用されている楽曲「一笑江湖」の歌詞と中毒性の理由
- 踊り方や世界での人気拡大、ベトナムでの流行状況
ナルトダンスとは?実はアニメと関係ない中国発のバズダンス
最近SNSでやたら見かける「ナルトダンス」って、一体何者?
『NARUTO』のキャラクターのコスプレをして踊っているから、「あれ、公式の何か?」と思った方もきっと多いはず。
でも実は、このダンス、アニメ『NARUTO』とは直接関係ないんです。
驚いたことに、ナルトダンスの正体は、中国の地方文化にルーツを持つ伝統的な踊り「科目三(かもくさん)」というもの。
それがどうして『NARUTO』と合体して、ここまで世界中でバズったのか…その背景をちょっと覗いてみましょう。
「ナルトダンス」は愛称、本当の名前は「科目三」
まず大前提として、「ナルトダンス」という名前はネットでの愛称。
本来この踊りは、中国の広西チワン族自治区で親しまれてきた伝統舞踊、「科目三(かもくさん)」が元になっています。
「科目三」にはこんな意味があります:
- 人生における「三つの試練」を意味する
- それは「山歌を歌う」「米粉を食べる」「ダンスを踊る」の3つ
- 特にダンスが「科目三」と呼ばれ、結婚式や祝賀の場で踊られる風習として根付いていた
この踊りが、リズミカルな動きと体を大きくくねらせる独特のスタイルで若者たちの間で注目を集め、やがてTikTokや中国版TikTok(抖音)でバズるきっかけに。
中国の結婚式の風習からTikTokミームへ
「ナルトダンス」の爆発的ブームのきっかけは、あるひとつの動画。
中国の人気コスプレグループ「HQ COS」が、アニメ『NARUTO』のキャラクターになりきって「科目三」を踊った動画を投稿したんです。
その動画が大バズリ。SNSで一気に拡散し、見た人たちが「あれはナルトのダンスだ!」と呼び始めたんですね。
この流れを、ざっくりと整理するとこうなります:
元ネタ | 中国の伝統舞踊「科目三」 |
特徴 | 腰をくねらせるリズミカルな動き |
拡散のきっかけ | 「HQ COS」がナルトのコスプレで踊る |
拡散手段 | TikTok・抖音(中国版TikTok)・YouTube Shorts |
通称 | ナルトダンス |
こうして、アニメと伝統舞踊が偶然にも融合し、今や世界中のSNSで大人気のミームとなったのです。
文化の垣根を越えて、こんなにも楽しまれるって…なんだか素敵ですよね。
ナルトダンスの元ネタは?「科目三」と広西チワン族の文化
「ナルトダンス」の真の姿を知るには、その元ネタである『科目三(かもくさん)』という伝統文化を知ることが不可欠です。
この「科目三」は、中国の広西チワン族自治区で受け継がれてきた、まさに“お祝いの場”での踊り。
一見地味な地域文化が、なぜ世界中のTikTokユーザーを夢中にさせるダンスに生まれ変わったのか…?
「山歌・米粉・踊り」の3つの試練とは
まず、「科目三」とは何かというと、広西チワン族自治区の言い伝えにある人生の三大試練の一つなんです。
それがこちら:
- 山歌を歌う:相手に想いを伝える伝統的な歌唱
- 米粉を食べる:地域名物の食文化に馴染む試練
- 踊りを披露する(これが科目三):結婚式などで踊りを見せる
特にこの「踊り」は、ただのステップではなく、人とのつながりや祝福の想いを表す重要な文化表現なんです。
それが現代に入り、抖音(ドウイン)やTikTokなどで注目され、エンタメとして再発見されたわけですね。
なぜナルトのコスプレと組み合わさったのか?
さて、ここで出てくるのが「なんで急にナルト?」という素朴な疑問。
これには、SNS時代ならではの偶然と、ちょっとした遊び心が絡んでいます。
きっかけとなったのは、以下のような流れです:
- 中国の人気コスプレチーム「HQ COS」がナルトのコスプレで科目三を踊った動画を投稿
- 独特な動きとアニメキャラのミスマッチが「おもしろい!」とバズる
- 見た人たちが「ナルトダンス」と呼び始め、定着
つまり、最初から『NARUTO』を意識して作られたダンスではなく、伝統舞踊にアニメの皮をかぶせた「偶然の融合」だったんです。
そのギャップや意外性が、逆にSNSで拡散されやすく、多くのユーザーの目に留まったのでしょう。
結果として、「ナルトダンス」という名前が先行しつつも、中国の伝統文化が世界に広がるという現象が起きたわけです。
こうして、文化とコンテンツの境界を軽やかに超えていくのが、今のSNSカルチャーの面白いところですよね。
ナルトダンスの歌詞とは?使用されている楽曲「一笑江湖-DJ弹鼓版」
ナルトダンスに欠かせない存在、それが「一笑江湖(イーシャオジャンフー)」という楽曲です。
この曲、初めて聴いたとき「なんかクセになる…」と思いませんでしたか?
実はこの曲、中国の伝統風味と現代的なビートが融合した、まさにナルトダンスにぴったりの一曲なんです。
原曲の意味と歌詞のカタカナ読み
「一笑江湖」は、もともとは中国の歌手・闻人听書(ウェンレン ティンシュウ)による楽曲で、2020年にリリースされました。
タイトルの「一笑江湖」とは、「世の中を笑って渡る」「煩わしい俗世も笑い飛ばす」といった意味合いを持ちます。
まるで武侠映画の主人公が、刀を背に月夜を歩くような情景が浮かぶような一曲なんです。
以下は、印象的な冒頭部分の原文とカタカナ読みです。
中国語歌詞 | カタカナ読み |
苍天一笑 笑不老 | ツァンティエン イーシャオ シャオブーラオ |
豪情却会了 | ハオチン チュエ フイリャオ |
对月饮一杯寂寥 | ドゥイユエ イン イーベイ ジーリャオ |
劍起江湖恩怨 拂袖罩明月 | ジエンチー ジアンフー エンユエン フーシウ ジャオ ミンユエ |
西风叶落花谢 枕刀剑难眠 | シーフォン イエルオ フアシエ ジェンダオジエン ナンミエン |
意味としては、「天に笑い、老いることなく、月と酒に寂しさを飲む」といった、どこか物哀しくも美しい世界観が広がっています。
「歌詞は分からないけど、雰囲気で惹かれる」という人が多いのも、この詩的な表現力のせいかもしれません。
リミックス版との違いと中毒性の理由
実は、ナルトダンスで使われているのは原曲ではなく、「一笑江湖-DJ弹鼓版(ダングーバン)」というリミックスバージョン。
このリミックスはテンポが速く、重低音が強調されていて、ダンス向けに最適化された音作りになっています。
違いを比べてみましょう。
バージョン | 特徴 |
原曲「一笑江湖」 | ゆったりとしたテンポ/伝統的・叙情的な雰囲気 |
DJ弹鼓版 | テンポ速め/重低音/ダンスに最適/高い中毒性 |
特にDJ弹鼓版では、ビートの効いたリズムが体を自然と動かしてくれるような感覚があります。
まさに「聞けば踊りたくなる」音楽というわけですね。
この音楽の魔力と、ユニークなダンス、そして『NARUTO』という世界的なキャラが融合したことで、ナルトダンスは一気にSNS界を席巻する存在となったのです。
ナルトダンスの踊り方は?独特なステップと動きの特徴
「あのくねくねした踊り、どうなってるの?」と思った方、多いですよね。
ナルトダンスは、ただ真似するだけでも楽しいですが、その動きにはちゃんとした“型”があるんです。
ここでは、ナルトダンスの基本的な動きから、コスプレならではの人気ポーズまで、わかりやすくご紹介します!
ダンスの基本動作:腰をくねらせるユニークなステップ
ナルトダンスの最大の特徴は、何といっても腰を大きく左右にくねらせる独特のステップ。
初めて見ると「ちょっとふざけてる?」と思うくらいユニークですが、これが見ている人を惹きつける最大の魅力になっています。
具体的には、次のような動きが基本です:
- 両足を肩幅に開き、リズムに合わせて左右に腰を振る
- 上半身はやや前かがみにして、視線は斜め前へ
- 手は腰や前に構えたまま、動きは最小限に
- ステップは速いテンポで繰り返されるため、体幹のバランスが重要
見た目以上に体力を使うので、実際にやってみるとじんわり汗が出るかもしれません。
だからこそ、見てるだけじゃなく一度は真似してみたくなるんですよね。
「ナルト走り」や印を結ぶポーズも人気
ナルトダンスをさらに盛り上げているのが、NARUTOのアイコン的なポーズたちです。
中でも定番なのが、以下のようなアクション:
- ナルト走り:両腕を後ろに伸ばして走るあの姿!ダンスの合間に取り入れると一気に”ナルト感”がUP
- 忍術の印(ハンドサイン):片手で「寅」「卯」などの印を結ぶしぐさがとにかくカッコいい!
- チャクラを溜めるポーズ:下半身を沈めて両手を重ね、集中しているような動きも人気
これらの動きを組み合わせることで、ダンスそのものが“アニメのワンシーン”のような演出になります。
ただの踊りじゃなく、見ている人の記憶に残る「作品」になるんです。
SNSでバズっている動画の多くも、このアニメ的な表現を活かした演出が盛り込まれているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ナルトダンスはベトナムでも人気?アジア各国への拡散状況
ナルトダンスの勢いは、中国だけにとどまりません。
今やその影響は、アジア全体、そして世界へと広がっています。
その中でも、特に注目されているのがベトナムでの爆発的な人気です。
ベトナムのTikTokでもバズり中
ベトナムのTikTok(TópTóp)では、2024年以降、ナルトダンスを真似する動画が急増しました。
ダンサーやインフルエンサー、さらには一般の学生まで、さまざまな層が挑戦しています。
- 制服姿の高校生が学校の廊下で踊る動画
- ナルトのコスプレをした若者が街角でパフォーマンス
- 結婚式やパーティーで「科目三」スタイルのダンス披露
これらの動画は、「#NarutoDance」「#科目三」「#VietnamTrend」といったハッシュタグで大量に投稿されており、再生数も驚くほど伸びています。
ベトナムでは元々TikTok文化が盛んですが、こうした“コミカルで真似しやすいダンス”が特に人気なんですね。
アニメ文化との親和性がヒットの鍵
ベトナムでの人気の背景には、アニメ文化の深い浸透があります。
『NARUTO』はベトナムでも放送されており、ナルト世代が10代~20代の若者に広く存在しています。
そのため、以下のような要素がナルトダンス受容の土台を作っています:
- アニメキャラのコスプレに抵抗がない
- 表現としてのダンス文化が日常に溶け込んでいる
- TikTokを中心とした自己表現に積極的な世代
さらに、ナルトダンスに登場する「ナルト走り」や「印を結ぶ動き」などが、アニメの知識とリンクすることで強い共感を生んでいるのです。
つまり、アニメ×踊り×SNSという構成が、ベトナムの若者の心にガッチリ刺さった、というわけですね。
今後も、ベトナムのみならず韓国・インドネシア・タイなど、アニメ文化が盛んな地域を中心に、ナルトダンスの輪はさらに広がっていく可能性が高そうです。
ナルトダンスとは何か?まとめ
ここまで読み進めてくださった方には、もうお分かりだと思います。
ナルトダンスとは、ただの一過性の流行ではなく、文化の交差点から生まれた非常にユニークな現象なんです。
一つの伝統が、ポップカルチャーと出会い、SNSで火がつき、国境を越えて拡散される——その過程自体が、現代の面白さを物語っています。
伝統とポップカルチャーの融合が生んだ世界的ミーム
ナルトダンスは、中国の広西チワン族の伝統舞踊「科目三」から始まりました。
それがアニメ『NARUTO』のコスプレと偶然に融合し、さらに「一笑江湖-DJ弹鼓版」というリミックス楽曲に乗せてバズ化。
この3つの要素が重なったことで、世界中の人々が「面白い!」「やってみたい!」と思える、共感性の高いミームとして成長しました。
たとえば次のように整理できます:
文化的ルーツ | 中国・広西の伝統舞踊「科目三」 |
視覚的要素 | 『NARUTO』のコスプレと忍者的動き |
音楽的要素 | 一笑江湖-DJ弹鼓版の中毒性リズム |
拡散手段 | TikTok・YouTubeショートなどのSNS |
こうしたミックスカルチャーがひとつのダンスをここまでのムーブメントに育てたことは、まさに現代のカルチャーシーンの象徴とも言えるのではないでしょうか。
今後も新たな派生が生まれる可能性大!
現在でも「ナルトダンス」をアレンジした新しいダンスや、他のアニメキャラとのコラボ動画が次々と登場しています。
たとえば、『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』のコスプレで科目三を踊るなど、新しい流行の兆しも見え始めています。
このように、ナルトダンスは終わることのない“文化の遊び場”とも言える存在へと変化し続けています。
そしてそれは、私たち自身も「踊って」「楽しんで」参加できるカルチャーでもあります。
次に流行るのは、あなたの踊りかもしれません。
ぜひ「一笑江湖」を聴きながら、自分なりの“ナルトダンス”を楽しんでみてくださいね。
- ナルトダンスの正体は中国の伝統舞踊「科目三」
- アニメ『NARUTO』のコスプレ動画がSNSで拡散
- 使用楽曲は「一笑江湖-DJ弹鼓版」で中毒性抜群
- 腰をくねらせる動きが特徴のユニークなステップ
- ナルト走りや印のポーズも取り入れられている
- ベトナムを中心にアジア各国でも人気急上昇中
- 伝統とアニメ文化の融合で世界的ミームに発展